「もう見ない」と決めたのに、気づけばまた開いている。そんな経験があると、自分の意志が弱いからだと思ってしまうかもしれません。
でも、毎回の判断だけで習慣を変えようとするのは大変です。通知が届き、ホーム画面にアイコンがあり、何気なく触れればすぐ動画が始まる。環境がその行動を簡単にしているなら、環境のほうを少し変える手があります。
習慣の流れを、逆向きに整える
ジェームズ・クリアーの『複利で伸びる1つの習慣』で紹介されている習慣の考え方では、悪い習慣をやめるには、きっかけを見えにくくし、魅力を下げ、行動を起こしにくくし、すぐ得られる満足を減らす、という逆向きの工夫をします。
スマホなら、通知を切る・アイコンを隠す・アプリを消す・開く前に待ち時間を置く、といった方法です。気合いで毎回こらえるより、開くまでの道を変えておく。設定ガイドで紹介している工夫も、この考え方に沿っています。
一つの設定に頼らず、何段か重ねる
SNSやショート動画のように無限スクロールが続くアプリは、一度開くとそのまま見続けてしまうことがあります。だから「開かないぞ」と毎回こらえるだけでなく、最初の一回にたどり着きにくくする工夫を重ねておきます。セキュリティ対策のように、一つの防ぎ方が外れても別の壁が残る形です。
たとえば、通知を切ってきっかけを減らす。ホーム画面からアイコンを外す。アプリを消して、ブラウザではログアウトしておく。さらに ScreenZen や端末の利用制限を設定する。ひとつだけだと解除してしまう日があっても、別の手間が残ります。
それでも開いてしまったら、そこで一日をあきらめなくて大丈夫です。気づいた時点で閉じ、次に開くまでの壁をもう一つ足す。目的は完璧に守ることではなく、無意識に続く流れを止めやすくすることです。
「少しだけ」を続けるより、いったん離れる
「あと少しだけ」と毎日自分と交渉するのが疲れるなら、対象のアプリを決めた期間だけきっぱり消す方法もあります。たとえば一週間、ショート動画のアプリをアンインストールして、必要な連絡は別の手段で受け取る。少しずつ減らすより、線を引いたほうが楽な人もいます。
減煙より禁煙のほうが簡単だと感じる人がいるように、スマホでも「少しだけ見る」より、まず一定期間まったく見ないほうが合う場合があります。ただし、これはスマホ利用の選択肢を考えるためのたとえです。禁煙の方法については、一気にやめる方法と段階的に減らす方法のどちらかが常に優れているとは限らないとするレビューがあります。
すべてのスマホ利用を断つ必要はありません。困っているアプリやフィードだけを選び、自分に合う期間と方法を試してみましょう。
寂しさが背景にあることもある
スマホを見続けてしまう理由はひとつではありません。疲れや退屈、気分転換のつもりが習慣になることもあります。人とつながりたい気持ちや寂しさが関係している人もいます。若い成人を対象にしたレビューでは、孤独感と問題のあるソーシャルメディア利用の関連が報告されています。ただし、関連があることだけで、どちらが原因か、誰にでも当てはまるかまでは言えません。
もし寂しさがきっかけになっているなら、アプリをブロックするだけでは足りないことがあります。家族や友人に連絡する、一緒にごはんを食べる、散歩に誘う。短い時間でも、画面の向こうではない人とのやりとりを予定に入れてみてください。身近に話せる人がいないときは、趣味の集まりや地域の活動など、少しずつ人と顔を合わせる場所を探す方法もあります。
続けられる大きさから始める
いきなりゼロを目指すと、できなかった日にすべて投げ出したくなることがあります。まずは寝る前の15分だけスマホを離す、あるいは特定のアプリを一週間消してみるなど、試せそうな範囲を決めてみましょう。
合わなければ調整してかまいません。習慣を変えるのは、一度で正解を出すことではなく、自分に合う形を探していくことです。